たぶんきっとわたしだけのラヴ
彼女が死んで、死んだってことを今さら知って、とほうに暮れながら朝日を浴びて、いつものように顔を洗って歯を磨いて化粧をして髪にヘア・アイロンをかけて、スーツを着て、出かける。通勤路は雪を被っていて、パンプスの踵がつるつる滑って難儀した。 彼…
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凪の海、祈りを捧げる
まだわたしの海が凪だったころ、そんな時がわたしにもたしかに、あって、そのころはたぶん小学校の一年生かそのへんだったと思うのだけれど、わたしは守られていたしあらゆる大人にとって庇護の対象だった。 すきなアーティストがいて、すきな音楽があった…
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プリズム
「わたしねぇ、もしかしたら詩人になりたかったのかもしれない」 アイスカフェラテの氷をストローでかき混ぜながら、スナさんはそう言った。向かいに座ってタルトをつついていた私は、はあ、と返事をして、「詩人ですか」とその耳慣れない単語を復唱した。「…
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